『無事に帰れた?』21:30
『それだけでいいから連絡して』22:01
『不在着信』22:32
犀川くんと尋くんに、コンビニで偶然出会ってしまった日の夜。
私からは何も返信していない犀川くんとのトークルームを見て、胸が痛くなって、ベッドの上でごろ、と向きを変える。
「……犀川、くん」
トークルームの上に表示される「犀川深雪」の文字を見て、名前まで綺麗でむかつく、なんて理不尽なことを思ってしまう。
30分刻みに送られてきているメッセージは返せていない。
どうして、まだ私のことを気にしてくれているんだろう。
さすがに、犀川くんが本当に私のことを好きだったとは考えにくい。
きっとからかっていただけに決まっている。
でも、だとしたら、どうしてこんなに気にかけてくれているんだろうか。そこにどうしても特別な理由を探してしまって、バカみたいだなぁ。



