真夜中に恋の舞う




それから1週間。私たちはだんだん仲良くなってきた、と思う。


犀川くんは聞き上手で、私の話をたくさん聞き出してくれる。

私はそれに答えるのと犀川くんにドキドキするのに必死で、なかなか犀川くんのことを知れていない気がする。



私は週末の過ごし方とか、好きな食べ物とか、苦手な教科や得意な教科とか、クラスで誰と仲がいいとか、そういう話をたくさんした。


けれど、私は犀川くんが何が好きなのか、いつも何をして過ごしているのか、誰と仲がいいのか、まだ何も知れていなかった。


今週の目標は犀川くんをよく知ることだ!と意気込んで学校に来たものの、今日も犀川くんを目の前にすると頭が回らなくなってしまう。




犀川くんはほぼ毎日のように一緒に帰って、なんと家まで送ってくれている。

申し訳ないから本当にいいよ、と何度も断ったけれど、その度にはぐらかされてしまう。

一緒にいられる時間が少しでも増えるのは嬉しいけれど、本当に犀川くんの家はこの辺りなんだろうか。





「じゃあ、また明日」




今日も私の家の前に着くと犀川くんは手を振って来た道を戻る。



「ありがとう、また明日」




その背中を見送って、なぜだかわからないけど、胸がざわついた気がした。