真夜中に恋の舞う





突然パッと画面が切り替わって、「着信:犀川 深雪」の文字が。



本当に驚いてスマホを落としてしまい、慌てて拾う。心臓がドキドキする音が、脳内に反響する。


ゆっくり電話のマークをスライドすると、鳴り止んだ着信音。




「も、もしもし……!」


『あ、もしもし。いま大丈夫だった?』



耳に当てたスマホから聞こえる優しい声に、頬が緩む。

今日は喋れないかと思ったのに、話せた。それだけで空も飛べそうなくらい舞い上がってしまう。




「全然大丈夫!です!」


『いま家?』


「ベッドにいます」


『はや』




ふっと笑った吐息が電話越しに聞こえて、ぎゅっと胸が締め付けられる。たしかに22時にベッドに入っているのは早いのかもしれない。




「犀川くんは、なにしてたの?」


『んー、俺も家にいるよ』


「そうだよね、夜だもんね」



電話越しにバイクや車の音がやけに鮮明に聞こえた気がするけれど、壁が薄いのかな。