「俺が絶対幸せにするから、他のやつに勝手に幸せにされないで。俺だけにして」
犀川くんが、私の腕のブレスレットに触れながら、そう言った。
想像していたよりもずっと大きな犀川くんの気持ちに、目の奥が熱くなる。
「うん、わかった。大好き」
「ん、俺も」
どちらともなく、唇を重ねる。
薄い犀川くんの唇は、いつもだったらすぐに離れるけれど、何度も角度を変えて私に触れる。
息継ぎのタイミングがわからなくて一瞬口を開けた隙をみて、犀川くんの舌が唇を割って入ってくる。
驚いて目の前の犀川くんの服をぎゅっと掴むけれど、それは逆効果だったようで、キスはどんどん深くなる。
ドキドキして、頭が真っ白になって、もう一度犀川くんの服を掴んだら、やっと唇が離れて、思いっきり息を吸い込む。
犀川くんは、獲物を捕らえるみたいな目で私を見ている。私もその目に射抜かれて、もっと、彼のことが欲しくなってしまった。
「……ごめん、調子乗った。もう遅いしそろそろ帰るよな。送っていくから……」
犀川くんは時計を見て、我に返ったように私から目を逸らす。
パッと離れた体が寂しくて、熱い犀川くんの熱がもっと欲しくて、犀川くんの腕を掴む。



