真夜中に恋の舞う




「萌乃、手貸して」





犀川くんに言われて、言われた通りに右腕を差し出す。


と、犀川くんの腕が触れて、私の手首にはシルバーのブレスレットが付けられていた。


細いチェーンで、小さな蝶々のモチーフが付いている。




「え……これ、」


「クリスマスプレゼント」


「用意してくれてたの……?」


「入院してて買いにいけなかったから、ネットで選んで尋さんに買いに行ってもらっちゃったけど」


「可愛い……」





手首できらきらと光るブレスレットを見つめる。

犀川くんが選んでくれたというだけで嬉しい。


犀川くんは、こんなに可愛くて華奢なブレスレットが、私に似合うと思ってくれたんだろうか。そんなことを想像して、また嬉しくなる。