真夜中に恋の舞う




「ほら、今楽しい」


「ドSなんですか……?」




むっとして頬を膨らませると、犀川くんは確かに楽しそうに笑った。



「暗くなっちゃったし、家まで送って行くよ」




カフェでしばらくお喋りして、気付けば夕方の6時過ぎになっていた。一緒にカフェを出て駅に向かいながら、犀川くんが言う。




「え!?そんなに暗くないし、大丈夫だよ!」


「だめ、危ないから」


「大袈裟だよ。家まで近いし、申し訳ないし……」


「いいの。俺が一緒にいたいから送らせて」


「っ……」




結局犀川くんに押し切られて、私の家の前まで送ってもらってしまった。


私たちは2人とも電車ではなく徒歩通学だ。私の家は学校から歩いて20分くらい。犀川くんの家はどこだかわからないけれど、無駄に歩かせてしまったのではないかと心配になる。