真夜中に恋の舞う





「俺の兄貴って本当にクズでさ。自分たちがよければ他はどうでもいいっていうか。


兄貴のせいで人生狂わされた女の子とか、薬漬けになった奴とかも見てきて、心底嫌だったけど、被害者たちからしたら、どんなに心の中で嫌だと思ってたって、実行してる俺らは兄貴と同じクズだって、そう思うだけで吐きそうになるよね。何もできない自分の愚かさとかに」





いつも笑っているジョーくんが、諦めたみたいな悲しい顔をしていた。

へらへら笑っているジョーくんしか知らなかったけれど、彼には彼の、重い人生があるんだなと思った。



と、しばらくして倉庫のドアが開いた。

心臓がドクンと跳ねて、恐怖で身体が震える。





「あ、その女起きたの?」

「今さっきね」



北区の仲間と思われる男が、ジョーくんに話しかける。



「俺まだ顔見てないんだよな。妹尾と犀川を手玉に取るって、そんなに美人なの?そいつ」





ニヤニヤしながら私の方に近づいてくる男を、ジョーくんが止める。




「まあまあ、いずれ見れるんだからいいだろ。こいつが逃げ出したら困るから、さっさとドア閉めて出てって」


「つまんねーの、わかったよ」




ジョーくんに追い出されるようにして、男が出ていった。緊張していた身体から、少し力が抜ける。

一体私は、何をされるんだろうか。