「怯えてる?大丈夫だよ、急に殺されたりしないから」
ジョーくんは笑顔を崩さないまま、何も言わない私に話しかける。
その笑顔が胡散臭くて、信用できない。
こんな状況で「大丈夫」と言われて、大丈夫だと思う人がいるだろうか。
「だってきみが殺されたりしたら、妹尾尋も犀川深雪も釣れないでしょ?」
ね、と言って笑うジョーくんに、私は唇を噛む。
改めて、彼らの狙いが私の大切な2人であることを思い知らされる。
どうして油断してしまったんだろう。
どうして犀川くんに、今日は一緒に帰れないのかって確認を取らなかったんだろう。
どうして、1人で学校を出てしまったんだろう。
どうして……。
次から次へと後悔が襲ってくるけれど、どうにもならない。自分のせいで大好きな犀川くんと尋くんが危険に晒されるのだと思うと、苦しくて仕方ない。
「ずっと気を張ってても疲れちゃうよ。とりあえず俺は何もしないから、少し休んでなよ」
ジョーくんはそう言って、ポケットから自分のスマホを取り出し、操作する。
誰かと連絡を取っているのかもしれない。



