真夜中に恋の舞う





もうすぐ12月になろうとしている。


街は早くもクリスマスムード一色で、駅前やショッピングビルなどにもイルミネーションが飾られている。


日が落ちるのが早くなって暗い夜に光る、暖かさを感じるオレンジの光に、どうしたって心が浮かれてしまう。


今年のクリスマスは、犀川くんと過ごせるんだろうか。

クリスマスプレゼントの交換とかするんだろうか。




それとも、どこかに美味しいご飯を食べに行ったり、イルミネーションを見に行ったり。

いや、家でゆっくりチキンとクリスマスケーキを食べるのもいいな、なんて、色々なことを想像してしまう。





「もうすぐクリスマスだね。いいなぁ萌乃は、あんなにイケメンな彼氏がいて」

「えへへ……」

「私も早く彼氏作らないと、クリスマス1人になっちゃう!」





帰りのホームルームが終わって、コートを着たりマフラーを巻いたり、帰り支度をしながらはるちゃんと喋る。




「はるちゃんは、今いい感じの人とかいるんだっけ?」


「今はねー、隣のクラスの遠藤くんと連絡取ってて。クリスマスの予定とか聞いてみようかな〜」

 
「え、いいじゃん!聞いてみようよ!」




はるちゃんは結局ジョーくんとは付き合ったりせず、友達のままで終わったらしい。

それに、最近はあまり連絡を取っていないとのことで、ジョーくんには申し訳ないけど、友達が危険なことに巻き込まれずに済んで、少し安心してしまった。


今は隣のクラスの遠藤くん……確かバスケ部で、女の子からの人気もあったはず……といい感じらしい。

そんな楽しい話をしていたところに、クラスメイトの女の子が声をかけてきた。