「私の方が犀川くんと釣り合ってるし、絶対に幸せにできると思う。学校のみんなも、どうして水沢さんなのかって不思議に思ってるよ」
その言葉が、ずっしりと心にのしかかる。
そうか、私って不思議に思われてるんだ。
まあ、それはわかるけど。
どう考えたって、ミスターコン1位の犀川くんにはミスコン1位の浅木さんの方がお似合いで。
生徒会長の犀川くんには、副会長の浅木さんがお似合いで。
これが少女漫画だったら、絶対に付き合うのは犀川くんと浅木さんだろうと、私も思うけど。
私みたいな、ミスコンにエントリーすらされたことがなければ、生徒会に入るなんてもってのほか、成績も中の中で印象も薄い私が、犀川くんと付き合っているのはなぜ?って、私もクラスメイトだったら思っていたかもしれないけど。
でもそこまではっきりと、しかも私のいないところで言われると、何だか悲しくなってしまう。
犀川くんが何を答えるのかも想像がつかなくて、怖い。
「私、犀川くんのことが好き。私と付き合って」
ああ、どうしよう。やだ、行かないで、犀川くん。
「すみません、俺にはアイツが1番可愛いんです」
思いがけない言葉に、驚いて目を見張る。
今の甘いセリフは犀川くんが言ったのか……!?



