また別の日の放課後、今日も一緒に帰れるのかなと思ってスマホを取り出すと、犀川くんからメッセージが着信していた。



『ちょっと生徒会室に取りに行くものがあるから待ってて』





私はうさぎがOKと言っているスタンプを送って、教室を出る。


下駄箱で待っていようかと思ったけれど、最近私も生徒会室に行っていない。

サプライズで迎えに行こう、と思って生徒会室に向かった。








「どうしてあんな子と付き合ってるの?」





生徒会室に向かう途中。


鋭い声が聞こえて、思わず足を止める。


今歩いている廊下を、左に曲がったところから聞こえてくる声。そこにあるのは生徒会室だったはずだ。





こっそりと曲がり角の壁の影から声のする方を覗くと、生徒会室の前で話していたのは、犀川くんと浅木さんだった。



そうなると、さっき「あんな子」と言われていたのは私のことだろうかと、急に盗み聞きが自分ごとになってしまった。