「不良が嫌いなのは知ってるけど、危険な目に遭わせるかもしれないけど、
俺が絶対守るから、本当に彼女になってよ」
犀川くんは少しだけ身体を離して、私の目を見て、眉を下げて優しく笑った。
「うん、なる」
「なってくれるの?」
「犀川くんの、彼女になりたい」
不良なんて嫌いだった。
絶対関わりたくないと思ってた。
王子様みたいな、優しくて、優等生で、真面目な彼氏が欲しいと思ってた。
でも本当は、私が最初に恋に落ちたのは、きっと夜のコンビニの前で、タバコを吸っている彼を見たときだった。
目が離せなくて、怖いと思う頭とは裏腹に、心臓がドクンと跳ねて、それで。
きみのこともっと知りたいって、思っちゃったんだ。



