「生徒会の仕事が溜まってて、ちょっと手伝ってくれる?」
放課後。
今日も尋くんが迎えに来るのだろうと思って教室を出ようとしたところ、私を迎えに来たのは尋くんじゃなかった。
「犀川くん!」
久しぶりに犀川くんが学校に来ているからか、クラスメイトたちもちらちらとこっちを見ている。
私はおとなしく犀川くんの後に続いて、生徒会室に向かった。
ガラガラと、思ったより大きな音を立てる生徒会室のドアすらも、何だか懐かしい気がしてしまう。
犀川くんは生徒会室に入って、当たり前のようにドアに鍵を掛けた。
「え、なんで、」
「邪魔されたくないから」
「……なんか、怖いんですけど」
「何されると思ってる?」
不敵に笑う犀川くんの顔も久しぶりだから、何だか泣きそうになってしまった。
犀川くんが椅子に座ったのを見て、隣の椅子に座ってみる。
「……久しぶり、だね」
「そうだな」
文化祭も終わったので、生徒会メンバーも最近は落ち着いているようだった。
生徒会室の中も、文化祭の時期は資料や飾りなんかで散らかっていたけれど、いつの間にか片付いている。



