「連絡ありがとうね。何頼む?」
前に一度ジョーくんと来たことのあるカフェ。
私はキャラメルマキアートを頼んで、ジョーくんはバニラフラペチーノを注文した。
コーヒーとも言えないくらい甘い飲み物を飲みながら、じゃあ早速だけど、とジョーくんが口を開く。
「犀川のこと知りたいんだよね?どこから話そうかなぁ。何が知りたいの?」
「……犀川くんが何者なのか、何をしてるのか、知りたいです」
ジョーくんは少し考えてから、わかった、と頷く。
「西区と北区のこ対立については聞いたことある?」
「この前はるちゃんから、ちょっとだけ。北区がちょっと危険というか、治安が悪いから、西区にそれが及ばないように戦ってる、みたいな」
「うん、まあ大体はそうだね。単純に縄張り争いみたいな感じなんだけど。北区のトップが結構危険な奴で、クスリとか、女の子を斡旋したりとか、そういう悪いことをしてて。
西区はそういうことはしないから、西区が北区との縄張り争いに負けちゃうと、西区でも悪いことする奴らが増えてきちゃうわけ。
犀川深雪は中学生の時に両親を亡くしてぐ結構グレてたんだけど、そんな犀川を世話してあげてたのがキミの初恋の妹尾尋ね」
この人は私と尋くんの関係も知っているのか、と怖くなる。というか、当時の私の気持ちまで知っているのはどうしてなのか。



