「わぁ、すごい人」

ホールに着くとたくさんの人が既に集まっていた。

楽器の演奏が始まり、シドと国王がホールに現れると拍手がおこった。


各国から建国記念日のお祝いに駆けつけた人々がシド達の前に列を作り一人一人お祝いの言葉を述べた。

アリス達もシドの近くで王族や貴族達に挨拶をした。

挨拶を終えた人々は演奏と共にダンスを踊ったり談笑したり舞踏会は大いに盛り上がっていた。


挨拶がひと段落すると、アリスもほっと胸を撫で下ろした。

国王陛下とシドは軽食を取るため別室に移動した。

「お疲れアリス。殿下達も休憩される。アリスも好きにしてていいぞ。」

「そうねぇ。どうしようかしら」

曲目が変わり人々はダンスを楽しんでいる。


「…アリス?アリスじゃないか!」

突然、背後から誰かに呼び止められた。

アリスは振り返るとそこには懐かしい顔が。


「…カイン!?」


カインと呼ばれた男性は人混みを分けアリスの方へ向かって来た。


「久しぶりだな、元気にしてたか?」

「ええ、本当に久しぶりね。元気よ!カインも変わりはない?」

嬉しそうに話をする2人を見てキースがアランに近寄った。

「…誰だ?」

「さぁ?」

アランも首を傾げた。