「どんどん雨が強くなって来てる…」

アリスは最後の雨戸に手を掛けると早い速度で移動する雲と強くなる雨を見て呟いた。

ゴロゴロ!

「きゃっ?」

近くで雷が鳴りアリスはその場にしゃがみ込んだ。

「…もー、やだ。。雷大嫌いなのに。。」

立ち上がり急いで雨戸を閉めた。


「ねー、アリス。」

「わっ?!ルーン様。」

振り返るといつの間にかルーンが立っていた。


「アリス、雷怖いの?」


「え?あー、えっと…まぁ、少しだけ。」

そう答えるとルーンはケラケラと笑った。

「僕は怖くないよ?」

「本当ですか??強がらなくてもいいですよ」

「本当だもん!」

ガチャっ

ルーンと言い合ってあるとアランが戻って来た。


「アリス、とりあえず部屋に戻っていいぞ。今晩のうちに嵐は過ぎるだろう。そのかわり明日は早くから忙しいぞ。各州から報告が来る。被害の状況をまとめ、その後支援が必要なところへは兵士を派遣する手筈を整えるからな。」


「分かりました。」


アランはアリスの横にいるルーンを見た。


「さ、ルーン様もお部屋に戻って下さい。嵐が来ますからね」


「あ、私が部屋までお送りします。」


アリスはルーンと手を繋いで執務室を出た。