「あれ?アリスじゃないか」
キースがケーキを頬張るアリスを見つけた。
「アリス、何してるんだ。殿下は?」
1人でいるアリスを見てアランは辺りを見渡した。
「アラン、それにキース様。殿下は女性達に囲まれてます。」
「はぐれたのか。いいのか?離れるなと言われていたんじゃないのか。」
「だって突然囲まれてしまって。。それに、私が付いていなくても護衛もいますし、大丈夫ですよ。」
アリスの言葉にアランは溜息をついた。
「あ、私ちょっとあっちを見に行って来ます!」
何やら楽器の演奏が始まり、アリスは行ってしまった。
「おい、アリス!…全く、殿下は護衛のために側にいろって言った訳じゃ…」
「アラン、ちゃんとアリスに説明しなかったのか?」
アランは楽しそうに演奏の輪に入って行ったアリスを見てしまったというように溜息をついた。
アリスは久しぶりに舞踏会をおおいに楽しんでいた。
仮面舞踏会って楽しい。いつもの舞踏会じゃないみたい。
トントン
すると、後ろから誰かが肩をつついた。
「もし、宜しければ一曲」
男性がアリスにダンスを申し込んだ。
音楽が変わり、皆一斉にダンスを踊った。
アリスは差し出された手を取りホールの中央へ行った。
「ダンスがとてもお上手ですね。」
「まぁ、ありがとうございます。」
2.3曲ダンスを楽しむと、アリスと男性は休憩をした。
「さ、どうぞ。」
男性はグラスを差し出した。
ダンスをして喉がカラカラだったアリスは受け取って一気に飲み干した。
「はぁ、美味しい。」
飲み終えるとなんだか身体がポカポカしてとても心地良くなった。
「たくさん踊って疲れましたね。少し外の空気を吸いましょうか。」
アリスは男性に言われるがままバルコニーに出た。



