火に驚いた馬は大きく足を蹴り上げた。


「うわっ?!」

馬車に乗ろうとしていた男2人は馬に蹴り飛ばされた。

馬は興奮して、アリス達に向かって突進してきた。

「くっ!!」

男はアリスを離すと、馬を避け地面に打ち付けられた。

アリスもどうにか馬を避け、その場に倒れ込んだ。



「アラン!」

シドとアランはその隙を見て男達に切りかかった。


「殿下、3人とも確保しました!」


***


捕まった男達は全員腕に縄をかけられた。

シドとアランは蔵の中に行くと、木箱を確認した。


「これは…毒草」

アランは草を手にすると匂いを確認した。


「麻薬の材料になるものだ。密売されたものを塩や麦に紛れさせてここまで運ばせていたんだな。」

シドは毒草を手に取ると、男達に突きつけた。


「出所はどこだ。正直に言え。」

男達は眉間に皺を寄せると、シドから視線を逸らした。

「おい、聞こえてるのか」

アランは1人の男の胸ぐらを掴んだ。


「…俺達はただの運び屋。出所なんて知らねーよ」

男の言葉にアランは掴んだ胸ぐらを突き放した。


「殿下、城の牢へ連れて行きましょう。」

「ああ。ジェーン、近衛隊に連絡を」

暫くして、ジェーンが呼んだ兵士達によって男達は城へ連れて行かれた。

アリスはようやくほっと胸を撫で下ろした。