その夜、ジェーンの屋敷で食事を済ませシドとアランは蔵に向かうため馬の準備を始めた。
そこへ着替えをしてアリスも外に出た。
「アリス、何してるんだ。」
「何って、私も行くんですよ。報告書を書かなければなりません。」
「俺が戻って書くよ。」
アランの言葉にアリスは首を横に振った。
「…お前が行くと足手纏いになる。ここに残れ。」
そう冷たく言うシドにアリスは手をキュッと握りしめた。
「いいえ、私も行きます。私も殿下の側近です。殿下自らが赴くなら私も着いていきます。」
真っ直ぐにシドを見つめて言うアリスにアランはふっと笑った。
「…連れて行きましょう殿下。確かに何かあった時、万が一我々が2人とも動けなくなったらまずい。」
アランの言葉にシドは渋々、アリスの同行を承諾した。



