ジェーンは机にトルマン州の地図を広げた。
「被害に遭った蔵に印をつけました。毎回同じ蔵に何者かが侵入しているようです。」
「…調べてみる必要があるな。蔵に潜んでその場で捕まえるのが手っ取り早い。」
「塩は週に一度、蔵に届きます。今日がちょうどその日になります。」
シドは立ち上がり、窓から外を眺めた。
「…ジェーン、今日はここに泊まる。アラン、今夜蔵に潜んで調べるぞ」
「かしこまりました。」
アリスは驚いた。王子自らが蔵に潜んで調べるとは…
話し合いが終わり、アリス達は用意された部屋で夜が来るのを待った。
シドはジェーンと共に町に視察に出て行った。
「…アラン、いいのですか?王子自らが出向くなんて…」
今夜のため支度を進めるアランにアリスが聞いた。
「…普通はしない。でも、シド殿下は普通の事はしないからな。」
笑いながら言うアランにアリスは呆れた。



