レムナント


いつもの険しい表情ではなく、穏やかな表情のシドの寝顔を見て、アリスは頬を赤くした。

真っ白でスベスベな肌に、長いまつ毛。

シド様もこんな顔して寝るんだ。

アリスは近づいてシドの顔を眺めた。

「疲れてるのかな…」

ガタン!!

「…ひゃっ?」

ドサッ

シドの顔を近くで見ていたアリスは馬車が石に乗り上げた反動で、バランスを崩し寝ていたシドの胸に倒れ込んだ。


「…ぃたたっ、、?!」

目の前にシドの胸元があり慌てて顔を上げると、目を覚ましたシドと目があった。


「…ごっごめんなさいっ!!!」

アリスは慌てて身体を起こした。


まっずい、寝顔見てたのバレだよね?!

両頬に手を当てて慌てているアリスに対して、シドは何も言わずにローブのフードを被った。


「…煩い、騒ぐな。」

その一言でアリスはハッとして、小さくなった。


「…トルマンに着いたら起こせ。」

シドは腕を組むと再び眠り始めた。


「あ、はい…」