「シド様、アリスとルーン様が一緒にいる所を見た途端、表情が変わった。」
深夜遅く、キースとアランは執務室で酒を飲んでいた。
アランはグラスを回しながら、先程アリスの膝に乗ったルーンの事をキースに話した。
「…ルナが生きていたらあんな光景になっただろうからな。アリスとルナが重なって見えたんだろう。」
キースは煙草に火をつけて深く息を吸い込んだ。
「…いいのか。ルナの事ばかり思い返して、 今まで以上に心を閉ざしてしまわれるかも…」
「…私は逆を期待している。シド様が心を開いてくれる事を。」
2人はユラユラと揺れる蝋燭の炎を見ながら、夜が更けていった。



