「…君の仕事は、ルーンのお守りでは無い。自分の責務だけ行うように。」
そう冷たく言うとバタンとドアを閉じてシドは出て行った。
「あ、アリス…気にするな、殿下はいつもあんな感じ…」
アリスは少し俯いたが、顔を上げた。
「大丈夫です。シド殿下の言う通りですから。でも、手が空いたらルーン様のお相手くらい出来ます。文句言われないくらい仕事をこなせるようになります!さ、仕事しましょ!」
そう言うアリスを見てアランはふっと笑った。
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「っあー、疲れたぁ。。」
初日からだいぶ遅い時間まで仕事をした。
アリスは自分の部屋に戻ると、バタンとベッドに横たわった。
王子の側近は仕事はたくさんあるし、明日は急に州の視察が入り同行する事になった。
たしかに大変な仕事だけど、アリスは初日にしてやりがいを感じていた。
自分はこういう仕事、嫌いじゃないみたい。
「ふぁ、寝よう…」
その夜はそのまま眠りについてしまった。



