シドが出て行った後、アリスは立ち尽くした。
「…アリス、書類のチェックは俺がやる。アリスは本を届けてくれ。書庫は真向かいにある部屋だ。」
「…びっくりした。。分かりました。」
「ハハハ、シド殿下はいつもあんな感じだ。そのうち慣れるよ。多分本を届けたら次々と仕事を振られるけど落ち着いてやる事をメモしてここに戻って来るんだ。」
「は、はい!」
アリスはメモを持って書庫に向かった。
書庫には執務室とは比べ物にならないくらいの本棚がズラリと並んでいた。
シドに渡されたメモを見ながら、本を探した。
「えっと、これと、それにこの本も…」
やっと5冊見つかると、急いでシドの部屋に向かった。
コンコン
ドアをノックして部屋に入ると、アリスは言われていた本をシドに差し出した。
「お待たせしました。」
シドは書類にサインしながら手だけ差し出して本を受け取った。
「…この本はそこの棚に戻して、ここの書類はキースに届け印を貰ってくるんだ。それが終わったらこの棚に日付順にしまってくれ。」
アリスは慌ててメモを取った。
まずは、この本を棚に戻す!
アリスはテキパキと本を棚にしまい、シドの隣に積み上がっている書類を持った。
「では、失礼します!」



