テーブルの下で手汗を拭きながら、不意打ちで飛んできた質問に笑顔で答えた。
暴走はたまにしてるけど、部長としての役割もきちんと果たしているのでお世辞ではない。
「そうですか。良かったな零士。素敵な後輩さんじゃないか」
「なんだよその顔。気持ち悪いなぁ」
優しく笑うお父さんに、先輩はちょっぴりしかめっ面。
反抗期なんだろうけど、少し照れているようにも見えて、時々笑みがこぼれている。
……仲良しなんだなぁ。
しばらく雑談したところで、時計の針が午後1時を差し、説明会の時間に。
学校の特色や学科、授業内容の説明などが行われた。
その後、校内施設の見学へ。
鳥類、小動物、家畜エリアを回り、外にあるドッグランにやってきた。
「楽しみですね。市瀬さんはどんな子がお好きですか?」
「そうですねぇ。みんな好きですが、特に柴犬が好きです。昔飼ってたんですよ」
ソワソワしながら遠くにいる犬達を眺める父親達。
その後ろで。
「落ち着きのない父ですみません」
「いやいや、俺のほうこそ」



