翌週の日曜日。
「天気、晴れて良かったな」
「そうだね」
午前11時過ぎの、晴れ渡った青空の下。
母に学校まで送ってもらい、今、父と2人で駅へ向かっている。
「バスってあれか?」
「だと思う」
歩を進めると、入口から少し離れた場所に停まっている赤いバスを見つけた。
周辺には、私と同年代くらいの男女がチラホラ。中には親らしき人達も。
「結構人いて良かった。少ないと寂しいもんな」
「寂しいって……旅行に行くわけじゃないんだから」
小さく溜め息をつき、横断歩道を渡る。
今日は日帰りバス旅行……ではなく、専門学校のオープンキャンパスに行くのだ。
運転手さんに乗車許可書を見せてバスに乗り、2人分の空席を探す。
どうして今日、体験入学に参加したのか。
それは、先週、同じ2年の部活仲間が、GWに大学の説明会に行ったという話を聞いたから。
興味が湧いてお母さんに話したら、一緒に行くことになったんだけど……。
「お母さん残念だったな。楽しみにしてたのに」
「しょうがないよ。急用なんだし」



