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「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」



部活終わり。
自転車置き場で一ノ瀬先輩に深々と頭を下げて謝罪した。



「そんな、全然迷惑じゃ……」

「いえ! 私が声を上げたせいで、何の関係もない先輩まで巻き込んでしまいました」



「本当にすみませんでした」ともう1度頭を下げる。


あの後、部員にみんなに謝り、部活が終わった後も再度彼女に謝った。

場の空気も無事戻って、丸く収まったけれど……。



「叱ったこと、気にしてるの?」

「……はい」



それは先輩がきちんと説明して、注意喚起までしてくれたおかげ。

私がおとなしくしていれば、手を煩わせなくて済んだんだ。



「まぁ……大勢の前で叱ったのは良くなかったね」

「っ……」



だよね。しかも新入生相手に慌てふためくほどの勢いで。先輩としてダメだよね。



「……でも、もし俺が市瀬さんの立場だったら、同じような言い方してたかもしれない。俺も小さい頃、牛乳あげて具合悪くさせちゃったことがあるから」

「えっ……」



思わずパッと顔を上げた。