猫目先輩の甘い眼差し



理由を説明すると、顔面蒼白に。

どうやらキンキンに冷えたままあげてしまったらしい。


大人ならまだしも、こんな小さい子に。しかもお皿になみなみと。

水を飲んでいたなら綺麗な水をあげれば充分だったのに……。



「市瀬さん? どうしたの?」



机の下で拳に力を入れていると、背後から優しめのトーンで名前を呼ばれた。



「ケンカ?」

「っ……いえ……」



心配そうに見下ろす一ノ瀬先輩と目が合い、声が詰まった。

恐る恐る周りを確認すると、他のグループの生徒達が気まずそうに私達を見ている。

もちろん、トラ猫グループの人達も。



「ど、どうしましょう。私、猫ちゃんにとんでもないことを……」

「落ち着いて。とりあえず、場所変えようか」

「……はい」



慌て出した彼女と一緒に席を立ち、部屋の外へ。


……やってしまった。


近くの階段に移動し、事情聴取が行われた。

いたたまれない気持ちでいっぱいだったけど、事を大きくしないためにも、1から全て話した。



「あー……それはちょっとまずかったね」

「やっぱり、猫用のほうが良かったですか……?」