彼女の隣に腰を下ろし、スマホ画面を覗く。
家の駐車場で、親子揃ってくつろいでいたところを撮ったという。
「この辺に住みついてるの?」
「だと思います。この前登校中に、ご近所さんにご飯もらってたので」
えっ、朝ご飯もらってるの……⁉
可愛いのはわかるけど……苦情とか来ないのかな。
内心心配を抱きつつ、続きを観賞する。
「ん……?」
くつろいでいたシーンから、何かを食べているシーンへ移った。
かなりがっついてるみたいだけど……。
「これ、何あげてるの?」
「牛乳です。水たまりの水を飲んでたんですけど、汚かったので替えたんです」
「それって……もしかして人間用の?」
「はい」
頭上にハテナマークを浮かべて返事をした彼女。
その瞬間、頭にカッと血が上り……。
「ダメだよ! こんなにたくさんあげちゃ!」
「えっ……ダメなんですか⁉」
「絶対じゃないけど、お腹壊しちゃう子もいるから。あげるなら猫用のじゃないと」
「そんな……」



