去ろうとする彼女に呼びかけた言葉。
雷夜と朝日さんのこともあったから、部長として気遣うつもりで口にした。
しかし、彼女に返答した際に言ったのは願望。
話してて楽しいし、愛情深くて礼儀も正しい。
気遣ってるだけかもしれないけど、俺の猫トークにも笑って付き合ってくれる。
もう少し一緒にいたい、近づきたい、仲良くなりたい。
気づいたらそう口が動いていた。
「なるほどね。まぁ、好きになるのもわかるよ。白猫みたいな上品な顔してるけど、笑うと可愛いもんな〜」
「…………」
「ごめん、冗談だって。狙ってねーから睨むなよ」
謝る雷夜をジト目で見つめる。
ったく……調子のいいこと言って。
もう1回朝日さんに怒られてはたかれろっ。
短く溜め息をつき、フライドポテトを1本口に入れる。
「実るよう応援したいところだけど……あんだけ美人なら、彼氏いるんじゃね?」
「どうでしょう。席が近い男子とよく話してはいますけど、それっぽい人は見たことないです」
「マジ? でも、陰で人気ありそうだよな」



