猫目先輩の甘い眼差し



最初から買うつもりだったとわかると、一瞬にして機嫌が元通り。

なんかもう、樫尾くんに続いて、目黒先輩まで可愛く見えてきちゃった。


朝日先輩とは会えたのかな? 進展はあったのかな?

色々聞きたいけれど、今は並んでるし。
文化祭が終わってから聞こうっと。



先輩と別れて数分後。列が動き出し、ようやく順番が回ってきた。



「いらっしゃいませ~。あ、市瀬ちゃん!」

「朝日先輩! こんにちは!」



カウンターの前で手を振る、お団子ヘアの朝日先輩にバッタリ。

朝日先輩とも顔を合わせるのは1ヶ月ぶりだっけ。元気そうで良かった。



「唐揚げ買いに来ました。2つ下さい!」

「了解! 合計で200円です!」



お会計を済ませ、唐揚げを受け取る。

零士先輩がいないなぁと、バックヤードを眺めていると。



「あ、ちょっと待って。一ノ瀬くんからメモ預かってるから渡すね」

「メモ……?」



先輩と一緒に一旦脇に移動。小さなメモ用紙を渡された。



「今、出張販売に行ってていなくて。来たら渡しといてって言われたの」

「ありがとうございます……」