意を決して口を開いたら、またも笑われてしまった。
でも、心の底から私達のことを応援してくれているのを感じて、すごく嬉しい。
「というか、俺、他校に好きな人いるし」
「そうなの⁉ どんな人?」
「前に、楠木さんと3人で話してた時、誕生石の話題が出て、石に詳しい友達がいるって話、したじゃん? その子」
「ええーっ!」
口に手を当てて声のボリュームを抑える。
石博士……じゃなくって、アクセサリーが好きなオシャレな子だったっけ。
てっきり寡黙なタイプが好きなのかと思ってたから意外だ。
やっぱりバイク同好会は、本当はギャップ持ちの集まりなのかも……。
「……あ、話変わるけど、樫尾くんが同好会に……ベンガルに入った理由って何?」
バイク同好会が出てきて、ふと気になって尋ねてみた。
「猫派チームにいるけどさ、あまり猫の話、しないよね?」
「あー……それは……」
さらに尋ねると、気まずそうに言葉を詰まらせた。
同じチームの笹森くんは、よくトラ美ちゃんへの愛を呟いているのに対し。
樫尾くんの口から、猫の話が出たのを聞いたことがない。



