「2人でイチャイチャしてたのが、まずかったんですかね……」
「そう、だね。でも、あれは世蘭ちゃんじゃなくて、俺にドン引きしてたんだって」
え……? 先輩に……?
「私は違うんですか?」
「うん。世蘭ちゃんは全然関係なくて、俺が校内でガツガツしてた姿に顔を引きつらせてたんだよ」
えええ⁉ じゃあ、全部私の思い違い……⁉
いや、それはそれで、交際報告の件とはまた違うよね。
でも、イチャついている場に出くわしたんだから、多少は関係してるかも……。
「来週、文化祭じゃない? このまま迎えるのもモヤモヤするだろうからさ、この際全部話してみたら?」
「……大丈夫ですかね」
「大丈夫! もしあいつが失言したら、俺がシメとくから!」
笑顔で物騒なことを口にした零士先輩。
……そうだよね。
様子見と言って、このまま逃げ続けても、何も解決しない。前に進まないよね。
ちょっと怖いけど……友達だから。
大切な友達だからこそ、本気で、本音でぶつからなきゃ。



