「良かったね! 仲間が増えて嬉しいよ!」
「えへへ。これからよろしくね〜」
入れないとはいえ、さすがにこのまま帰すのは申し訳ないので、少しおしゃべりすることに。
「えー! トラ吉を助けたのが零士先輩だったのー⁉」
トラ吉脱走事件と猫目のお兄さんの話をすると、月香ちゃん以上に驚かれた。
「あのトラ吉を一瞬で手懐けるなんて……零士先輩すごいな」
感心している様子。
この共感も、トラ吉の性格をよく知っているからこそ。
だけど……。
「ねぇ、さっきから下の名前で呼んでるけど……知り合いなの?」
「うん! トラ美を引き取る前に、動物部に話を聞きに行ってね。そこで仲良くなったんだ〜」
本日2回目の衝撃的事実。
まさか仲良しの先輩だったとは……。
飼っている人から話を聞きたかったけど、誰もいなかったそうで。
後日スムーズに話ができるように仲介役になってくれたとのこと。
「そうだったんだ。すごく慣れてたから、てっきり飼ってたのかと思った」
「俺も最初はそう思ったよ。猫博士かってくらい知識が豊富だったもん」



