技術力が高いのは前から知っていたけれど、写真で見るのと、実物を目の当たりにするのとでは、全く違う。
このままお店に紛れ込んでいても、商品として買ってしまうくらい、完成度が高い。
「ありがとう! すごく嬉しい!」
「えへへ。喜んでもらえて良かった」
蓋を閉めて、そっと紙袋の中へ。
世界で1つだけの、私だけのポーチ。大切にしよう。
まだ化粧品は持ってないから、日焼け止めとかボディクリームを入れようかな。
「おはよう。やけに盛り上がってるね」
想像を巡らせていると、いつもより5分早く樫尾くんが登校してきた。
「おっ、それ、誕生日プレゼント?」
「そうそう! 今あげたところなの! それより樫尾くん、今日ちょっと早くない?」
「あぁ、俺も市瀬さんにプレゼント渡したくって。はいどうぞ」
席に腰かけた彼が差し出してきたのは、月香ちゃんの紙袋よりも一回り大きい紙袋。
その真ん中には、お店のロゴらしき木のマークがプリントされている。



