猫目先輩の甘い眼差し



「まさか部長だったなんて……」

「えっ、それも知らなかったの?」

「うん。うちの部、人数が多いから」



動物部は、動物が好きな人が集まって情報交換をするという、自由度が高い部活。

そのため、掛け持ちをしている人も多く、学校で1番部員が多いと言われている。


だけど、ただ談笑するだけの部活なので、連絡網がない。

だから、部長が誰になったのかも初耳だった。



「でもさ、同じ猫好きなら、1度は見たことあるんじゃない?」

「いや、あれが初めてだった。あんなにかっこよくて名字も同じなら、少なからず記憶に残ってるよ」



月香ちゃんの言う通り、猫好きの人ともよく交流してるから、そう思うのもわかる。

でも本当に知らなかった。名前も初めて聞いたもん。


それに同じ猫好きでも、猫の大きさ別にグループがあるんだよね。

さらには三毛猫やアメショーのような、種類別のグループまで。


それだと顔見知りはほんの限られた人のみ。
しかも、私が交流していたのは9割が女子。

そりゃ異性の先輩と面識があるわけがない。