猫目先輩の甘い眼差し



「皆様お待たせしました。次が最後です」



場内に先生の声が響くと、あちこちで喜びの声が上がった。


次で最後なら、まだ出ていないのは……。


固唾を呑んでいると、ステージに背の高い男子生徒2人が登壇。


1人は、おでこが見えている爽やかな髪型で、モデルさんのような体型。

そしてもう1人は──。



「皆様はじめまして。動物部部長の一ノ瀬 零士です」



見覚えのある姿に目を見開いて固まった。


サラサラの黒髪、切れ長の大きな目、柔和な笑顔。


嘘……っ、同じ学校だったの……⁉


マイクの前に立っていたのはまさに──一昨日見たばかりの猫目のお兄さんだった。



✾✾



「ええっ⁉ 最後に出てきた人があのお兄さんなの⁉」



教室で食事中、体育館で知った衝撃的事実を月香ちゃんに話した。



「すごい偶然だね。学校も部活も同じだったなんて。知らなかったの?」

「全然。今日初めて知った」



驚いたのはそれだけじゃない。

私が所属している部活、動物部の先輩でもあったのだ。