猫目先輩の甘い眼差し

✾✾



「月香ちゃん!」



トイレを済ませて、急いでプール場へ向かった。



「遅いよ〜! そんなに混んでたの?」

「いや、混んでないところを探してたらこんな時間に……。今どうなってるの?」

「第1組が終わったところだよ。樫尾くんはまだ出てない」

「そっか。良かった」



2階の観覧席に腰を下ろす。

余韻に浸ってたら、トイレに行くのを忘れちゃって、チャイムが鳴った後に急いで行った。

席を取ってもらってて良かった。


と、胸を撫で下ろしたのもつかの間。



「いやいや、全然良くないよ! さっき一ノ瀬先輩出てたんだよ⁉」

「ええっ⁉」



嘘、もう終わっちゃったの⁉
そんな、応援するって言ったのに……。



「もう、出番ないかな……?」

「大丈夫! 1位でゴールしたから! 他のチームの記録にもよるけど、多分決勝には進めると思う!」

「本当? 良かったぁ」



再び胸を撫で下ろした。

1位だなんてすごいなぁ。何泳いだんだろう。
毎週習い事してて体力ありそうだから、バタフライかクロールかな?