「笹森くん!」



すると、首にタオルをかけた笹森くんと遭遇した。

汗をかいていて髪の毛が濡れている。試合終わりかな?



「お疲れ〜。もう試合終わったの?」

「うん。さっき準々決勝やって。強敵と当たって負けちゃった」

「あらら……残念だったね。でも、去年より進めたんだからすごいよ!」



「進歩進歩!」と、またも励ましの言葉をもらった。

みんな優しいなぁ。なんか泣けてきちゃうよ。



「ありがとう。笹森くんは、もう終わったの?」

「うん! 午後の準決勝に出ることになったんだ!」

「お〜! おめでとう!」



見事勝ち抜いた彼を祝い、詳しい試合結果を教えてもらった。

笹森くんのクラスである1組は、ダブルスのみが準決勝進出。

私達2組は、シングルスのみが準決勝進出なのだそう。


そして──。



「あとね! 郁海も準決勝に進んだんだって! さっきプール近くのトイレで会った時に聞いた!」

「「そうなの⁉ やったぁ!」」



友の勝利を聞いて喜びの声を上げたら、トイレを済ませた月香ちゃんとハモった。