ネット越しに喜びを分かち合う先輩達を見た後、コートの外に整列する。
「「ありがとうございました!」」
一礼し、隣で行われている試合の邪魔にならないよう、そそくさと退散。
ベンチにいる先生とクラスメイト達の元へ向かった。
「お疲れ様。よく頑張ったよ」
「そうそう! スポーツコース相手に8点も取ったんだぜ! すげーよ!」
次々と励ましの言葉をかける彼ら。
結果は、21対8で、惨敗。
何度も果敢にスパイクを打ったんだけど、ことごとくブロックされてしまい、なかなか点を取ることができなかった。
かごから水筒を取ってお茶を一口飲む。
……負けちゃったな。でも、大奮闘したから、そこまで悔しさはない。
「月香ちゃん、腕は大丈夫?」
「うん。最初は痛かったけど、もう慣れちゃった。世蘭ちゃんは?」
「私も。集中してて、痛みなんて感じる暇なかった」
笑い合いながら体育館を後にして、近くのトイレへ。
月香ちゃんの水筒を預かり、入口付近で待つ。
「あっ、市瀬さん!」



