「もしかしたら、行き先が決まってない者同士で集まったのかも。零士もあいつと同じで、まだ志望校決まってなかったし」
「目黒先輩はもう決まってるんですか?」
「おぅ。1年の頃から体験入学バンバン行きまくってたから。バイクの免許取る前にはもう決まってたよ」
ということは、1年生の春休みには決まってたのか。早いな。
私なんて、この夏でようやく2回目なのに。
目標が明確で真っ直ぐ。
知れば知るほど、かっこいいというか、変わってるというか。
個性的な人ってこういう人のことを言うんだなぁと納得した。
「真相は後で聞くとして。話変わるけど、市瀬さんは好きな人とかいるの?」
「えっ」
話を強制的に終わらせたかと思えば、好きな人⁉
話、ぶっ飛んでません⁉
「あ、別に狙ってるわけじゃねーから! 最近零士と仲良さげだから気になって。琳子のことも、羨ましいって言ってたし」
「……それは、一ノ瀬先輩のことが好きかという意味ですか?」
「まぁ、そうだな」
「…………」



