自分から話して、積極的に交流しようとしている様子。
私も頑張らないとな。
小1時間ほど勉強したところで休憩に入った。
シャープペンを置いてお茶でのどを潤す。
「ねぇねぇ、市瀬さんって、零士先輩と付き合ってるの?」
「っ……!」
唐突に口を開いた笹森くん。
良かった。お茶こぼれてない。
「……付き合ってないよ」
「そうなの? 時々一緒に帰ってるからてっきり」
「いや、あれは帰る方向が同じなだけで……」
突然投げかけられた質問に心臓が早鐘を打ち始める。
先週、犬グループの人からも、全く同じことを聞かれた。その前は猫グループの人からも。
他にも見てた人いたんだ。
「へぇ〜、一緒に帰ってたんだ。こないだデートに誘われてたし、もしかしたら気があるんじゃない?」
すると今度は月香ちゃんが口を開いた。
「ええっ⁉ デート⁉ 市瀬さん、零士先輩とデートしたの⁉」
「そ、それは……」
「うん。先週バイクに乗せてもらったんだって」
「ちょっ、樫尾く……!」
「えええー⁉ 後ろに乗ったのー⁉」