「その後に動物関連の仕事に興味を持ったんですね」

「そうそう。本格的に目指し始めたのは、中2の春。今度は動物病院に職場体験しに行って……」

「そこで確信したんですか……?」

「うん」



嬉しそうな含み笑い。

元々動物は好きで、他の人よりも少し知識はあったらしく。

獣医さんや看護師さんに詳しく話を聞いて、そこから猛勉強したそうだ。



「強靭のハートですね」

「いや全然。動物を飼ったことがないから、市瀬さんほどでは」

「いやいや! 本当に弱かったら、なかなかこの道志望しませんよ!」



謙遜する先輩にツッコミを入れた。


確かに動物の飼育経験はある。
だけど、人生経験は圧倒的に先輩のほうが上。

既にスタート地点からレベルが違いすぎるよ。



「市瀬さんはいつから? きっかけは何だったの?」



切れ長の大きな瞳と視線がぶつかった。

そうだよね。今度は私の番だよね。
同じ道を目指す者同士、気になるはず。



「私も元々、動物関連の仕事がしたいと考えてたんですけど、きっかけは飼ってた犬を亡くした時でしたね」

「生まれる前から飼ってた子?」

「はい。写真あるので見せますね!」