ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜

 そこへ、ノエルくんがやって来た。腕を組みながら、可愛らしい目をツンととがらせている。

「開けてもらっていい?」

 ドアノブを持ったまま、ノエルくんに視線を送った。

「……どうぞ」

 一歩も動かず、触れもしない。
 バカにされている気がして、少し腹が立った。

「開いてなかったの。だから……」

 もう1度ノブを握ると、扉は高い音を鳴らしてゆっくりと奥へ動いた。

 あ、あれ……?
 たしかに確認したはずなのに、どうして?

「帰りたいなら勝手に帰りなよ。どうなっても知らないからね」

 見なくても手にとるように分かる冷たい声が、背中に突き刺さる。

 べつに、頼んで守ってもらおうとしたわけじゃない。

「おじゃましました!」

 振り返らないで、勢いよく屋敷を出た。
 外は薄暗くなっていて、少し肌寒く感じる。不気味なほど静かで、それが怖い。

 喧嘩をしたいわけじゃなかったのに、どうしてこうなっちゃうかな。
 ただ、ルキくんが何を考えているのか分からない。