ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜

 ぐいっとのぞき込む瞳が作り物みたいにキレイで、少しだけ怖く感じる。離れたくても、足がすくんで動かない。

「血のにおいがする」
「えっ? あっ、さっき怪我……したから」

 ノエルくんの眼が、きらきらして星みたい。目をそらせない。
 もし魔法にかけられていたら、こんな感じで身動きが取れないのかな。

「だいじょうぶ?」

 クスリと笑いながら、ノエルくんが貼ったばかりの絆創膏をはがした。

「なに……するの?」

 頬に柔らかい感触が押し寄せてきて、動けない私はぐっと目をつぶる。
 ノエルくんの唇が頬に当たって、それから傷口をなめた。

「や、やめて……」

 声に力が入らなくて、弱々しい声を出すのが精一杯。心臓の音が早くなって、頭が回らなくなってきた。

「ボクのこと、怖いの?」

 金色の髪をさらっと揺らして、首をかしげている。子どもがすねるように、口をとがらせて。