ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜

 食堂を出てからしばらくして、授業開始5分前にようやく図書室へ着いた。校舎が広いから、移動するだけでも大変。

 中へ入ると、奥で本を読んでいる男子が目に入った。窓際に背を預けているルキくんと、大人っぽい顔立ちをした人が机に腰を下ろしている。

 ふわっとしたベージュの髪から綺麗な目が見え隠れして、しっとりとまぶたが閉じられた。どうやら、うとうとして眠たそう。

 どことなく雰囲気が似ている気がするけど、あの人がルキくんのお兄さんかな?

 手前の机に本を置いて、窓際に視線を向ける。

「ルキくん、授業出ないの?」
「……うん」

 パタンと本を閉じて、ルキくんが横を通り過ぎた。そのまま図書室を出て行ってしまった。

 また、避けられた。
 ここにはルールがあるって芦屋さんが言っていたけど、みんな私を(けむ)たがっている。あの言い伝えが原因なのかな。

 見えなくなった背中から目を戻すと、目の前に男の子が立っていた。

「ひやぁッ!」

 驚いた拍子に手を付いて、机の本がドサッと落ちる。
 だって、いきなり後ろにいるから。この人って、奥で本を読んでいた人だ。