ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜

「みんなと仲良くなりたいって、思ってたのは私だけなの? 吸血鬼だとかオオカミとか、そんなの関係ない。人間以上に、心を持ってる吸血鬼(ヒト)だっているよ」

「残念ながら、吸血鬼に心などありません。もちろん、情けも同様に」

 言いながら手袋をした片手で目をふさぐと、影楼先生の背後から真っ黒のけむりが出てきて、それは悪魔を作り出した。

「悪く思わないで下さい。魔界のためなのです」

 手を下ろしてあらわになった目は、血のように真っ赤な色をしている。

「これは、晩餐会にふさわしい余興(よきょう)となりそうだ。高みの見物とでもしようか」

 中央のイスで足を組み、ドラレス伯爵はワインをたしなみ始めた。

 どうしよう。どんどん悪魔の妖気が強くなって、雷のような電気をため込んでいる。

「女神よ、早くしとめなければやられるぞ? 共に闘うと誓うなら、助けてやらんこともない」

「ここにいる全員、あとで始末するけど」

 ナチの言葉で、ぞろぞろと他の吸血鬼たちがやって来た。まだ仲間が隠れていたんだ。