ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜

「何を迷っていらっしゃるのですか」

 コウモリが3匹飛んできて、着地すると同時に影楼(かげろう)先生とノエルくん、そしてレイ先輩の姿へと変わる。

「ノエルくん、無事だったんだね!」
「私が助けました」

 初めて会った日と同じように、影楼先生は無表情で、レイ先輩も無言で私の前を通り過ぎていく。

「まさか君が、あの伝説の女神だったとはね」

 ツンと刺すような冷たい声。
 いつもの可愛らしいノエルくんの顔じゃない。

 ついさっきまで、同じ目的で歩いていたのに、こんなにもあっけなく崩れてしまうんだ。

「人間に心を動かされた結果が、このありさまですか。やはり、怪物と人間の共存などありえないのです。たとえ純血の女神があなただったとしても、手加減は致しません」

 レイ先輩とノエルくんも、黙ったままのルキくんのとなりに立つ。

 まわりに、黒い妖気がたち始めた。氷のように冷たくて、でも少しの熱を感じる不思議な空気。