ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜

「彼女たちを守るために、命をかけて戦った。なのに、どうして……」

 ふと、ある言葉が頭を過ぎる。

 ーー純血がよみがえる時、新たな闇を生み出す時だと伝えられた。封印が解けて、再び闇が動き出す。

 黙っていたルキくんの口が、小さく開く。

「純血の女神は、吸血鬼を封印すると共に、ある(まじな)いを掛けたと言われている」

 落ち着きのある声は、話を続ける。

「自分の命が滅び、再びよみがえる時が来るまで、封印が溶けないようにーーと」

 ルキくんが、ぐっとこぶしに力を込めている。怒りや苦しみが青い炎のオーラとなって、にじみ出ていた。

人間(おまえ)として新たな命を与えられ、あの地に足を踏み入れた瞬間。我々の長い眠りは覚まされたのだ」

 ハッハッハッと大きな笑い声を上げて、ドラレス伯爵が私を指差す。

「そこにいる女神の息根(いきのね)を止めなければ、黒呪団を封じることは出来ないのだよ」

 あわれむような、切ない目で見ないで。
 ルキくんの考えていることが、痛いほど伝わってくる。