ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜

「さて、諸君(しょくん)余興(よきょう)は終わりだ。これから、(うたげ)の準備に取り掛かろう」

 ドラレス伯爵が指を鳴らすと、戦っていたナチがシュタッと前にひざまづく。

「まだ、決着はついてない!」

 追いかけるように、ルキくんも下へ飛び降りるけど、ナチがゆらりと逃げかわした。

「それは、もう良い。こんなものがある。どうだ、興味はないか?」

 ドラレス伯爵の合図で、ナチが黒い布を出現させた。

 テーブルで広げられた布の中から、宝石が散りばめられたような剣が現れる。赤いルビーがついた、立派な剣。

 どくん、どくんと鼓動が速くなる。

「遥か昔に封印された勇者の剣だ」

 胸の奥が苦しくなってきて、呼吸が浅くなり始めた。

「この剣で刺された者は死に至る。無滅の剣だ。ただし、これを扱える者はただ1人だけ」

 周りの音がかき消されるくらい、自分の心臓音しか聞こえなくなる。

 頭が、痛い。手足がしびれて、感覚がなくなってきた。

 だれか、助けてーー!